迷った時は遠慮なく

     うらさ 千手院


御年始と寺年始(おねんしとてらねんし)


◆御年始

お年始の間 毎年、1月1日の元旦にはお檀家さんや地域の方からご本尊様、ご先祖様に年頭の挨拶
に来ていただく風習がございます。

こちらは、御年始のお部屋です。
ここで挨拶を交わし、御神酒を召し上がっていただきます。


◆寺年始

H18年 寺年始 4日、5日はお寺の側から各戸の玄関先までご挨拶にうかがいます。
(それを寺年始といいます)

その際には千手院に伝わる『蘇民将来子孫門戸也』のお札を配っております。

玄関先で寺男が「ものもう!」と大きな声を出すと、家の住人は「どうれ!」と言って出てきてお札を受け取り、新年の挨拶を交わす風習が守られています。「ものもう」とは「物申す」がなまったものだとお寺には伝えられています。

お札を受ける際には、お盆や三宝の上に松の枝、昆布、まめ殻など、お正月の縁起物を置いておくとされております。



◆寺年始のお札『蘇民将来子孫門戸也』(そみんしょうらいしそんもんとなり)の由来


『備後風土記逸文』によると、スサノオノミコトが南海の旅の途中蘇民将来(そみんしょ
うらい)と巨旦将来(こたんしょうらい)という2人の兄弟のいる地に立ち寄り、一晩泊め
てくれるよう頼みました。

弟の巨旦はとても裕福だったのですが、断りました。
兄の蘇民は貧しかったのですが、親切に泊めてあげました。

スサノオノミコトは喜び、蘇民に「今後、この地に悪い病気などが流行った時は、蘇民
将来の子孫であると言い、茅輪(茅やワラを束ねて作った大きな輪)を腰につけなさ
い。そうすれば病気、災いを免れるでしょう。」と言って立ち去りました。

このような言い伝えから、『蘇民将来子孫門』と書いた注連縄(しめなわ)を玄関先に
飾り、家の中に邪気が入るのを防ぐ意味を持たせるようになりました。

特に伊勢・志摩地方には数多くみられ、その注連飾りを1年中飾っておく独特の風習
が残っています。

千手院には、その版木が残され、写真のようにお札だけで、注連飾りにはなっていま
せんが、同じ意味合いです。

庫裡の玄関先に貼っております。
各お宅でも玄関先に貼っていただくのが最良ですが、どうしてもスペースのない方は
神棚でも結構です。

町内のお檀家さんにお配りさせていただいておりますが、お檀家さん以外にもお分け
致しております(一体 500円)ので、ご希望があれば遠慮なくお申し付け下さい。
庫裡(くり)の玄関先

蘇民将来子孫家門や蘇民将来子孫繁昌也の地域もある
お札と一緒に配られる「福寿箸」について。

寺伝では「食べることに困らないように」という縁起物だと伝わっております。今のように食が豊かでない時代、一食につける有り難さは生死に直結する大事でありました。

当たり前に何でも手に入る時代だからこそ、先人達の苦労に感謝しなければいけませんね。

神棚に上げておいたり、縁起物として年の初めに使用したり、扱い方は各お宅の自由で結構です。